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8月後半はいろいろなイベントが目白押しです。気になるイベントをいくつか。
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まず8月20日(土曜日)にはこげんイベントがあります。
http://fukuoka.parco.jp/page2/9623/341/
ブレイディみかこさんのイベントが決定しました。
「ヨーロッパ・コーリング」(岩波書店刊)
「THIS IS JAPAN ― 英国保育士が見た日本」(太田出版8月後半刊行予定)
というこの夏の二冊の新著の、刊行記念トークイベントです。
ブレイディさんは、福岡市今宿のご出身。1996年からイギリス・ブライトンで保育士とライターのお仕事をなさっています。
今回の国民投票によるイギリスのEU離脱についても、yahooのトップニュースなどで現地のリアルな状況をご報告くださっています。現在この瞬間の、イギリスやヨーロッパについて、また、イギリスから見える日本と福岡について、刺激的なお話を聞かせていただけると思っています。
日時:8月20日(土曜日)18:00~20:00
聞き手:森元斎さん(九州産業大学非常勤講師・思想史・哲学者)
参加方法:フタバ図書福岡パルコ新館店に電話で、または直接お申込み下さい(定員に達し次第締切)
ご予約・お問い合わせ:フタバ図書福岡パルコ新館店(電話092-235-7488)
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8月27日(土曜日)は、アナキズムとは関係あるのか、ないのかわかりませんが、ちょっときになるイベントがあります。
RUDOLF EB.ER Fukuoka Performance
w/ Capture 木管◯重奏 / Ryoko Matsuoka + shayne bowden / Hurricane Grind / Ancient Fish / baby crying (オーストラリア)
日時:2016年8月27日
18:30 開場 / 19:00 開演
料金:2000円+1ドリンク(500円)
Rudolf Eb.er/プロフィール
極限状態にのみ生息する。
作品は、原子核学技術からブードゥー教儀式にまで及ぶ。マーシャルアート及びファインアートの修士課行程を取得し、現在 世界規模の最も過激でアクショニスティックなオーディオ・ヴィジュアルアートのムーヴメントを築いている。
1967年スイス チューリッヒ生まれ。
若くして超常現象・神秘学のエキスパート、そして深淵なる精神とセクシャリティーについて探求する人々の指導者として極地に到達。脳外科医・山羊飼いとしての熟練した経験によって洗練された技術を身につけた彼の作品は、絵画・ヴィジュアルアート・オーディオアート、実験的 儀式的な行動表現・・・と多岐に渡り視覚・聴覚・嗅覚を操るその独特の表現方法、彼の世界観は世界中のアンダーグラウンドシーンにおいて常に極度の衝撃を与え、芸術作品の最高峰として世界的に評価されている。
※この文章は、下記のサイトより勝手に転載。
http://www.webdice.jp/event/detail/804/?date=20160605
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8月28日(日曜日)にも、アナキストと関連も深いZINEに関するイベントです。
Garden #02 For Zine
2016年8月28日 (日)
17時〜21時頃
参加費 無料 (1ドリンクのご注文をお願いします)
“Garden" シリーズ #1は、SOUTH POPの吉田晴子さんと開くジンの集いです。
ディストロと2人の小さなジン・ライブラリーもオープンします。
ゆっくりジンを読んだり、お話したり、日曜の午後ジンを囲んで一緒にすごしませんか?
作ったジン、好きなジンの持参や、その場でのジン作りも大歓迎です。
ジンを作る人も読む人も、「ジンって何?」と思っている人も、ぜひ気軽にご参加ください。
【 Zine Making 】
この日、この時間の中でパーソナルジン「水のゆめ」の森脇ひとみさんが新しいジンを作っています。
よかったらあなたも作ってみませんか?
紙、ペン、はさみ、ホッチキスなどこちらでも用意しています。
問合せ she.saysdistro@gmail.com
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5月28日土曜日、博多区某所で、研究会が開催されました。二本の研究発表が行われました。一つめは、マフノ運動の紹介です。20世紀初頭にロシア革命の最中、アナキズムの旗を掲げて、立ち上がった武力闘争がウクライナのグリャポーレを中心にありました。マフノ運動です。マフノらは、当時のグリャイポーレのソヴィエト(もちろん、ボリシェヴィキによって換骨奪胎されてしまったものではない)を拠点に、職人の組合・教育運動(学校建設)・武力闘争を行いました。組合は自主管理を基盤にそれぞれの職工(グリャイポーレの多くは農民)が生活の作り出していき、学校建設はフェレルの自由主義学校の理念を基盤に、教職員・学生らの自立学校による教育運動が展開され、武力闘争では、大河ドラマにもなるほどの華やかな(?)闘争の記録が残っています。時の大杉栄が長男にネストル(マフノのファーストネーム)とつけてしまうくらい、魅力的なマフノの一生を追うことで、ウクライナで花火のように打ち上がった運動の軌跡を確認しました。
二つ目は、インドのフェミニズム運動についてです。インドからの留学生による発表で、とりわけガンジーの独立運動とそれに付随する(離反する)フェミニズム運動の近現代史でした。ガンジーのインド独立運動の華やかさとは裏腹に、その功罪も確認され、とりわけその中の女性の地位に関する扱いを明らかにしていただきました。もちろん、ガンジーの非暴力闘争の持つ、本来の暴力性(酒屋で酒を万引きしまくって、叩き割ることや、塩の行進など)の可能性も確認しました。ちなみに、万引き運動は女性が、塩の行進は男性がそれぞれ役割を担っていたそうです。とはいえ、ガンジーの女性蔑視の考え方は(彼は蔑視をしていないと言っているにもかかわらず)、極めて残念な思考態度であることは事実です。現在もなお、インドにおける女性の地位が極めて無下に扱われてしまうことを考えると、習俗も含めて一筋縄ではいかない問題であると思われます。無論、インドという領域の大きさを考慮するならば、多民族「国家」であり、宗教的な背景も含めて、極めて複雑な問いでもあります。しかしながら、インドで今、フェミニズムを考えるとは一体どういうことか、という問題系も含めて、極めて有益な発表でした。
最後に、必殺仕置人をみんなで鑑賞して、元締めのいない、合議制による集団のあり方に思いを馳せました。
6月、8月は福岡で開催される関連イベントも紹介できるかと思います。
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明日、栗原康さんが来福いたします。伊藤野枝さんの単著をひっさげて!
これは行くしかない!
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『家に火をつけ、白痴になれ』(岩波書店)刊行記念(http://www.futababooks.com/storeinfo/detail/id/1505)
栗原康ライブトーク×浦歌無子朗読の夜
日時: 5月17日火曜日 18:00~19:30(終了予定)
場所: 福岡パルコ新館6Fタマリバ6
内容: やりたいことをやって生きていたいのに、誰かが、何かが、そうさせてくれないと自分にブレーキをかけ、恐る恐る下りの坂道をおりていくような毎日を送っていませんか。“そうであらねばならない人生”って、ほんとにそうでないといけないのでしょうか。
福岡県今宿に生まれ、東京に飛び出し、国家や世間、家、そのほかのプレッシャーもなんのその、筆一本で、書きたいことを書く、好きな相手と恋をする、寝る、学ぶ、食べる、生きたい人生を生き、制度や道徳と戦い続けた伊藤野絵。彼女の鮮烈な伝記をこのたび上梓した政治学者・栗原康さんを迎え、お話をお聞きします。また今宿のご出身の現代詩人・浦歌無子さんに、野枝におくる詩を朗読していただきます。
参加要項: 無料(要予約) 092-235-7488(フタバ図書福岡パルコ新館店)
・募集人数 30名(定員に達し次第終了させていただきます)
ゲスト:
■栗原 康
1979年,埼玉県生まれ.早稲田大学大学院政治学研究科・博士後期課程満期退学。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に,『G8サミット体制とはなにか』(以文社)、『学生に賃金を』(新評論)、『大杉栄伝――永遠のアナキズム』(夜光社)(第5回「いける本大賞」受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2015 第6位)、『はたらかないで,たらふく食べたい――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)(紀伊國屋じんぶん大賞2016 第6位)、『現代暴力論――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)がある。ビール、ドラマ、詩吟、長渕剛が好き。
■浦 歌無子
福岡県生まれ。東京都在住。詩集に『耳のなかの湖』(ふらんす堂)、『イバラ交』(思潮社)、『深海スピネル』(私家版)など。
その他、ギャラリーにてビジュアル詩の展示、美術館の展示作品から着想を得た詩の創作と館内での朗読、国際芸術祭での野外朗読、ミュージシャンなど他ジャンルのアーティストとの共演など多方面にて活動中。
主催:フタバ図書福岡パルコ新館店
問い合わせ電話番号092-235-7488
担当:神谷
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4月24日博多区某所で、九州アナキズム研究会が開催されました。発表の一本目は、足立正生と松田政男の風景論を中心にした足立映画の軌跡について、でした。発表者が英語話者であり、オーストラリアのシドニー大学への修士論文提出予定の内容であったため、英語日本語飛交いつつ、非常に濃い内容となりました。問題系として浮かび上がっていたのは、ピンク映画全盛期における時代背景、シチュアシオニストとの同時代性や、風景論の「論」というよりもその「方法」の内実についてでした。今後の議論の展開が期待されます。
発表の二本目は、アナルコ・コミュニズムについての素描で、クロポトキンやルクリュのそれや、クロンシュタットやマフノ運動(そして現在のクルド)の武装闘争についてでした。発表者が博多弁話者(一応東京出身)であり、参加者がパリ人やデリー人、シドニー人、横浜人(浜っ児)など、博仏英語で混合玉石の、アナーキー状態(でも秩序は保たれている)。
ということで次回は、インドのフェミニズム運動、フランスの都市論についての発表がなされる予定となりました。それと時間があったら、ルクリュとクロポトキンの続きの議論が発表される予定です。
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創造と抵抗のスペース Europe - Tokyo - Fukuoka
A3BC + Die Holzschnitt-Gruppeの木版画ワークショップ
ドイツの版画コレクティブ "Die Holzschnitt-Gruppe" からはパンク・バンドLAMBS、MÜLHEIM ASOZIALのノビ太(ルーカス)さんとヴァギナの木版画を町に貼りまくるフェミニスト・アーティストのピアさんが来福します。
ワークショップについてのお問い合わせ
メール : info@ira.tokyo (成田)
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1月30日(土曜日)に森元斎さんと栗原康さんのトークイベントが開催されるようです。これは行くしかない!以下、フタバ図書のブログからです。
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気鋭の若手学者お二人の登場です。
森元斎さんは哲学・思想史の研究者として、九州産業大学と龍谷大学の非常勤講師をなさっており、昨年末に初の著作「具体性の哲学」(以文社)が発売されたことを記念して、今回の対論の企画のお願いをさせていただいたところ、ご快諾いただきました。
栗原康さんは専門がアナキズム研究で、既に著作も多く、昨年角川新書の一冊として発売された「現代暴力論 ー『あばれる力を取り戻す』」は大きな反響を呼びました。
お二人による“現在”の読み解きと、山積する問題への立ち向かい方を、私たちは日々をたくましく生きていくために、大いに参考にできるのではないか、などと考えています。
「具体性の哲学」(森元斎著・以文社2015年12月刊)刊行記念
森元斎氏×栗原康氏ライブトーク
「アナキズムのほうへ、おもむろに」
日時:1月31日(土)19:30〜21:30
場所:福岡パルコ新館6F タマリバ6
参加費無料(定員30名)電話予約可
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7/27日にアートスペーステトラさんで、ちぇじんそくさんの詩の朗読会が行われました。さすが野戦の月の俳優でもあるじんそくさん。ドンドンドンとはだしで足を踏みならしながら、とても熱い言葉を紡いでおられました。ヘイトスピーチ、放射能汚染問題など複雑な問題を、複雑なまましかし明晰かつ熱のこもった言葉で朗読されていました。
7/28日、中国文芸研究会との合同開催で、博多区某所にてバタイユの『広島の人々の物語』と「消費の概念」(『呪われた部分』所収)とを読解しました。原語は確認していないのですが「きらめき」という語に導かれて、「消費」を資本主義的なそれではなく、バタイユ独自の「消費」を練り上げていく様を確認し、資本主義のサーキットとは異なる消尽される自然の有様(太陽に起因する普遍=宇宙経済学)に思いを到らし、もしも新たな経済学が可能になるとしたら、という妄想にかられる、極めて刺激的な議論が展開されました。